仕事を自動化したのに、
なぜか思ったほど楽にならない。
私も専門商社の海外営業として、
ExcelやVBA、Pythonなどを使い、
さまざまな業務を自動化してきました。
その中で気づいたのは、
自動化そのものをゴールにすると、
かえって仕事が増える場合があることです。
大切なのはツールを作る前に、
「何がどうなれば成功なのか」を
具体的に決めておくことです。
仕事を自動化しても楽にならない理由1|確認作業が残っている
例えば、見積依頼書をOCRで読み取り、
品名や品番、数量をExcelへ転記すれば、
入力作業はかなり短縮できます。
しかし、OCRは英数字の品番や、
数量の位置を読み間違えることがあります。
そのため転記が自動化されても、
元の書類との照合作業が多ければ、
精神的な負担はあまり減りません。
私が自動化による効果を感じたのは、
入力時間が短くなったときよりも、
確認箇所を絞れたときでした。
「転記をなくす」だけではなく、
「人が確認する箇所を減らす」までを
ゴールにする必要があります。
仕事を自動化しても楽にならない理由2|間違った処理も速くなる
自動化は、正しい処理だけでなく、
間違った処理も速く進めてしまいます。
以前、定価と値引き後の価格が
同じ資料に記載されていたことで、
価格の扱いを間違えたことがありました。
このような状態で転記や計算だけを
自動化しても、ミスは防げません。
必要なのは処理速度の向上ではなく、
どの数字を使うのかを明確にし、
異常な条件を検知する仕組みです。
自動化を始める前に、
業務ルールを整理できていなければ、
曖昧な作業がそのまま仕組みになります。
仕事を自動化しても楽にならない理由3|例外対応が増える
実際の仕事には、
毎回同じ形式で処理できない案件が
どうしても発生します。
ファイル名が普段と違う。
入力欄の位置が変更されている。
今回は通常と異なる条件がある。
こうした例外が起きるたびに、
プログラムを修正していたのでは、
自動化の維持に時間を取られます。
私は一つの大きな仕組みを作るより、
処理を小さく分けるようにしています。
必要な部分だけを実行できれば、
イレギュラーな案件が発生しても、
手作業へ戻す範囲を限定できます。
すべてを自動化するのではなく、
自動化しない範囲を決めることも、
重要な業務改善だと感じています。
業務改善前に決めるべき3つのゴール
自動化ツールを作り始める前に、
私は次の3点を考えるようにしています。
- 何分の作業を何分にしたいのか
- どの確認作業をなくしたいのか
- どこから先は人が判断するのか
「作業を自動化する」だけでは、
ゴールとして少し曖昧です。
例えば、毎回10分かかる転記を
3分以内に終わらせることや、
確認箇所を3か所に絞ることなら、
改善の効果を判断しやすくなります。
数字だけで決めにくい場合は、
「送信前の不安を減らす」など、
心理的な負担を基準にしても構いません。
業務自動化は小さなゴールから始める
最初から業務全体を変えようとすると、
仕組みが複雑になり、
完成までの時間も長くなります。
まずは、繰り返しが多く、
判断の少ない作業を一つ選びます。
私の場合は、Excelへの転記や、
メール送信前の確認など、
小さな作業から自動化してきました。
使ってみて本当に負担が減ったら、
次の作業へ広げていく方が、
実務では続けやすいと感じています。
まとめ
業務自動化の目的は、
高度なツールを作ることではありません。
自分が負担に感じている作業を見つけ、
少しでも安心して進められる状態にする。
それだけでも十分な改善です。
まずは「何が楽になれば成功か」を、
一つ決めるところから始めてみてください。














